はじめに

毎日動画を見たり、ゲームをしたり、これらは当然「リラックス」だと思っていた。
終わった後には精神が回復するはずだ、と。
でも実際は、そんな生活を続けても空虚で疲れきっている感覚しか残らなかった。
理論的には大した消耗をしていないのに、こんなに気力が湧かないのはやっぱりおかしい。

ポモドーロの中での違和感

前に目の疲れがひどかった時、目を守るためにポモドーロタイマーを使って勉強していた。
最初は目的がはっきりしていて、休憩のたびに遠くを眺めたり、横になったりしていた。効果は確かにあった。

でも使い続けるうちに、「休憩のときに娯楽もしたい」と思うようになった。
長めの休憩時間に動画を見たり、音楽を聴いたり、ゲームをしたり。
すると効率が落ち、ポモドーロがだんだん面倒に感じてきた。
勉強は疲れるし（集中している時に強制的に休まされる）、遊んでいても全然休まらない。
20分しかないと思うと、遊んでいても不安になるだけだった。

娯楽：もうひとつの集中

改めて考えると、娯楽はリラックスではないのかもしれない。
娯楽も勉強と同じく「集中」を必要とする行為だから。
ポモドーロの設計も、集中をコントロールして、そのあとに休息を入れる仕組みだ。
本来の「休息」とは、心身をゆるめて、集中の回復にあてるもの。

実際に頭を空っぽにして、散歩に出たり、公園を歩いたり、本屋をぶらついたりすると、動画やゲームよりずっとリラックスできた。
体力は少し消耗するけど、娯楽や勉強が消費するのは、むしろ精神力なんだと思う。

娯楽とリラックスの再定義

だから、娯楽の定義を改めた方がいい。
娯楽は勉強の疲れを癒すものではなく、むしろ精神力を使う行為だ。
精神力が不足しているときにそれを続ければ、回復どころかさらに削られる。
そうなると娯楽は意味を失ってしまう。まるでバッテリー残量が少ないのに、高負荷アプリを動かしているスマホみたいに。

一方で、リラックスや休息は違う。
それは心と体を全部ゆるめて、漂わせるような感覚だと思う。
精神力が足りないときは、精神も体力もあまり使わないことがいい。
例えば、掃除をしたり、あてもなく歩いたり、何も考えずに過ごすこと。

学びと娯楽のあいまいな境界

では、学びと娯楽の違いはどこにあるのか？

結局は「興味」に左右されると思う。
どんなに集中が必要でも、興味があれば娯楽になり、興味がなければ学びになる。

例えばゲームなら、興味があるときは「楽しいから遊ぶ」で済む。
でも「学び」として捉えると、「目標を達成しなきゃ」「ここまでやらなきゃ」となる。

映画の IP でも同じ。
興味があればただ身を任せて楽しむだけで、純粋に感動する。
学びの視点なら、細部を分析したり、背景を調べたり、世界観を補完したりする。

もちろん、境界ははっきりしていない。多くの場合は主観次第だ。

リラックス：精神力の本当の補給

目的を持つ行動はすべて集中を必要とする。
だから「リラックス」だと思われる行為も、実は目的がつくとリラックスにならない。
スーパーに買い出しに行く、本屋で本を買う、公園に「休みに行く」…すべて目的がある。

目的がついた時点で、それはもうリラックスじゃない。
頭が空っぽにならないから、精神力も回復しない。

リラックスは「少しの体力消耗で精神力を補う」ものだと思う。
もし体力さえもきつければ、ただ横になって休むのが一番いい。

結局、本当の休息とは「軽いことをする」ことじゃなく、「何もしないことを自分に許す」ことなんだ。

まとめ

学びは人を成長させる。
娯楽は人を興奮させる。
でも、本当のリラックスは人を回復させる。

人生は追いかけや刺激だけじゃなくていい。
本当に必要なのは、娯楽を増やすことじゃなく、「立ち止まること」を学ぶことかもしれない。