問題一:この文章
問題二 (簡体字中国語):
https://blog.yexca.net/archives/201
問題三 (簡体字中国語):
https://blog.yexca.net/archives/200
問題四 (簡体字中国語):
https://blog.yexca.net/archives/202
問題五 (簡体字中国語):
https://blog.yexca.net/archives/203
まえがき
この文章は初めて母国語じゃない言語で書いて、他の文章を参考しないので、言葉遣いがてきせつではないかも。それで、参考の答えはなくて、文章の答えが自分でできたので、正しくないかも。
科学大とは東京工業大学の新しい名前で、略称が何か知らなくてこれを使った。
問題の著作権は東京科学大学に帰属します。閲覧の便宜のためにのみ引用されており、営利を目的とするものではありません。
1
以下の極限を求めよ。
a) $\lim_{x\to\infty}{ \log_e(2x+3)-\log_e(x) }$
b) $\lim_{x\to 0}\frac{1-\cos x}{x\sin x}$
c) $\lim_{x\to 0}\frac{e^{3x}-\cos x}{x}$
回答
a
$$ a=\lim_{x \to \infty}\log_e\frac{2x+3}{x}=\lim_{x\to \infty}\log_e(2+\frac{3}{x})=\log_e2 $$
b
$$ \because when \space x \to 0 ,\space 1-\cos x \sim \frac{1}{2}x^2 \space and \space sinx \sim x \ \therefore \lim_{x\to 0}\frac{1-\cos x}{x\sin x}=\lim_{x\to 0}\frac{\frac{1}{2}x^2}{x^2}=\frac{1}{2} $$
c ロピタルの定理を用いて
$$ \lim_{x\to 0}\frac{e^{3x}-\cos x}{x}=\lim_{x\to 0}\frac{3e^{3x}+sinx}{1}=3 $$
2
以下の実行列の積の行列式を計算せよ。
$$ \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \ x & 2 & 1 \ x^2 & 3 & 2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 31 & 23 & 17 \ 0 & 11 & 11 \ 0 & 4 & 5 \end{pmatrix} $$
The determinant of the product of two matrices is the product of their determinants
For A
$$ A=\begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 \ x & 2 & 1 \ x^2 & 3 & 2 \end{pmatrix} $$
The determinant of A
$$ \det(A)=(-1)^{1+1} \times 1 \times \begin{vmatrix} 2 & 1 \ 3 & 2 \end{vmatrix} -0+0 =1 $$
For B
$$ B=\begin{pmatrix} 31 & 23 & 17 \ 0 & 11 & 11 \ 0 & 4 & 5 \end{pmatrix} $$
The determinant of B
$$ \det(B)=(-1)^{1+1} \times 31 \times \begin{vmatrix} 11 & 11 \ 4 & 5 \end{vmatrix} -0+0 = 341 $$
so
$$ \det=\det(A) \times \det(B)=1 \times 341 = 341 $$
3
以下の確率密度関数 $f_X(x)$ に従う連続型確率変数 $X$ の分散 $V(X)$ 、累積分布関数 $F_X(x)$ を各々求めよ。ただし、$\lim_{x \to +0}x^n\log_e(x)=0$ ($n$ は 1 以上の整数) とする。
$$ F_X(x)=\left { \begin{matrix} -4x\log_e(x) & 0 \lt x \le 1 \ 0 & x \le 0 \space または \space x \gt 1 \end{matrix} \right . $$
まずは、累積分布関数を考えて
- $x \le 0$
$$ F_X(x) = 0 $$
- $x\gt 1$
$$ F_X(x) = 1 $$
- $0 \lt x \le 1$
$$ \begin{align} F_X(x) &= \int_0^x(-4t\log_e(t))dt \ \end{align} $$
部分積分を用いて
$$ \begin{matrix} u = \ln t & dv=4tdt \ du = \frac{1}{t}dt & v=2t^2 \end{matrix} $$
したがって
$$ \begin{align} F_X(x) &=-( [2t^2\ln t]_0^x - \int_0^x 2t^2\frac{1}{t}dt ) \ &=-( 2x^2\ln x - \int_0^x 2t dt ) \ &=-( 2x^2\ln x - t^2\mid_0^x ) \ &=x^2 - 2x^2\ln x \end{align} $$
これより
$$ F_X(x)= \left { \begin{matrix} 0 & x \le 0 \ x^2-2x^2\ln x & 0 \lt x \le 1 \ 1 & x \gt 1 \end{matrix} \right . $$
次に、分散を求める。分散の定義は
$$ V(X)=E[X^2] - (E[X])^2 $$
期待値 $E[X]$ を計算する
$$ \begin{align} E[X] &= \int_{-\infty}^{\infty}xf_X(x)dx \ &= \int_0^1x(-4x\ln x)dx \ &= -\int_0^1 4x^2\ln xdx \end{align} $$
部分積分を用いて
$$ \begin{matrix} u=\ln x & dv=4x^2dx \ du=\frac{1}{x} & v=\frac{4}{3}x^3 \end{matrix} $$
したがって
$$ \begin{align} E[X] &= -([\frac{4}{3}x^3\ln x]_0^1-\int_0^1\frac{4}{3}x^3\frac{1}{x}dx) \ &= -(-\frac{4}{9}x^3\mid_0^1) \ &= \frac{4}{9} \end{align} $$
$E[X^2]$ の計算
$$ \begin{align} E[X^2] &= \int_{-\infty}^{\infty}x^2f_X(x)dx \ &= \int_0^1x^2(-4x\ln x)dx \ &= -4\int_0^1x^3\ln xdx \end{align} $$
部分積分を用いて
$$ \begin{matrix} u=\ln x & dv=x^3dx \ du=\frac{1}{x} & v=\frac{1}{4}x^4 \end{matrix} $$
したがって
$$ \begin{align} E[X^2] &= -4 \times ([\frac{1}{4}x^4\ln x]_0^1-\int_0^1\frac{1}{4}x^3dx) \ &= -4 \times (-\frac{1}{16}x^4\mid_0^1) \ &= \frac{1}{4} \end{align} $$
だから
$$ \begin{align} V(X) &= E[X^2] - (E[X])^2 \ &= \frac{1}{4} - (\frac{4}{9})^2 \ &= \frac{17}{342} \end{align} $$
4
ある製造ラインで生産された製品は1/1000の確率で不良品である。不良品を99/100の確率で正しく不良品と判定し、かつ、不良品でないものを4/5の確率で正しく不良品ではないと判定する検査手法がある。この製造ラインにおいて、この手法が不良品と判定した製品が、不良品である確率を求めよ。
不良品である確率:$P(A)=\frac{1}{1000}$、不良品と判定する確率:$P(B)$
これより
$$ \begin{matrix} p(\bar{A})=\frac{999}{1000} & P(B\mid A)=\frac{99}{100} & P(B\mid \bar{A})=\frac{1}{5} \end{matrix} $$
したがって
$$ P(B)=P(A)P(B\mid A)+P(\bar{A})P(B\mid \bar{A})=\frac{20079}{100000} $$
ベイズの定理を用いると
$$ P(A\mid B)=\frac{P(AB)}{P(B)}=\frac{P(A)P(B\mid A)}{P(B)}=\frac{99}{20079} $$
以上より、不良品である確率は $\frac{99}{20079}$
5
あるカジノで、4個のパケットA,B,C,Dに区切られたルーレットがある。カジノの説明ではそれぞれのパケットにボールが入る確率は同じであるとされている。そのルーレットを5回試行したところ、ボールはパケットAに4回入った。カジノの説明とは異なる「このルーレットはボールがポケットAにより入りやすい」という仮設を、有意水準5%で検定せよ。解答には帰無仮説 $H_0$ 、対立仮説 $H_1$ を明記すること。
$H_0$:ポケットAにボールが入る確率は他のポケットと同じである。すなわち
$$ P(A)=\frac{1}{4} $$
$H_1$ :ポケットAにボールが入る確率は他のポケットより高い。すなわち
$$ P(A)\gt \frac{1}{4} $$
ボールはポケットAに4回入る確率は
$$ P(X=4)=(_4^5) (\frac{1}{4})^4 \times \frac{3}{4}=\frac{15}{1024} $$
ボールはポケットAに5回入る確率は
$$ P(X=5)=(_5^5) (\frac{1}{4})^5=\frac{1}{1024} $$
これより
$$ P(X\ge 4)=\frac{15}{1024}+\frac{1}{1024}=\frac{1}{64} $$
この確率は有意水準より小さいため、帰無仮説を棄却する。ゆえに、「このルーレットはボールがポケットAにより入りやすい」という仮設は統計的に有意であると言えます。